'14読書日記8 『コモン・センス』トマス・ペイン

コモン・センス 他三篇 (岩波文庫 白 106-1)

コモン・センス 他三篇 (岩波文庫 白 106-1)

才気走っている。権利の語彙と利益の語彙が入り交じっているが、それはもともと同根のものなのかどうかちょっと考えないといけない。

しかしある者は言うかもしれない、「アメリカの国王はどこにいるのか」と。わたしは言いたい、友よ、国王は天上に君臨しており、イギリスの高貴な野獣のように人類を破滅させはしないのだ、と。しかしわれわれが俗世間の名誉に欠けていると思われないようにするため、とくに憲章(charter)を公布する日を神聖な日として区別しよう。そして憲章を持ちだして神聖な法である聖書の上に置き、その上に王冠をかぶせよう。これによって世界はわれわれが王政を容認するのはこの程度であるということを知り、またアメリカにおいては法が国王であることを知るであろう。なぜなら絶対王政においては国王が法であるように、自由国家においては法が国王であるべきであり、またそれ以外に国王があってはならないからだ。しかしその後王冠を悪用するものが現れないようにするために、儀式が終わると王冠を粉砕して、国王の権利を持つ人民の間に撒き散らすことにしよう。
自分自身を統治するのは、われわれの自然権である。