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今日から某セミナー。昼から参加。半年ぶりにドイツ語をしゃべるので緊張する。なかなか出てきまへんな。リハビリの一日。のはずが、ちょっとしたことをドイツ語で話す羽目になり、冷や汗をかいた。
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朝から某セミナー。最初はドイツ人側の学生発表。いろんな研究をしてるなあと雑駁な観想。寝ずにちゃんと聞いた。昼からは、日本の大学でルーマニア少数民族の統治について研究している研究者を呼んで発表を聞く。英語。英語でディスカッションしたのだが、andとかorがundとかoderとかになったりして混乱した。いくつか質問したが、ややわかりにくかった模様。
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朝から某セミナー。学生モジュールといって、学生が企画したもので、全体の要旨(といっても一つの学術報告のような素晴らしいもの)をsくんがやって、そのあとにグループに分かれて討論、そして討論した内容を5分ほどでプレゼン。僕のグループは日本学をやってる人が2人ほどいたのでドイツ語と日本語のちゃんぽんで、助かった。しかし、まだまだドイツ語で議論するなんて、気の遠くなるような話である。僕もプレゼンで簡単なドイツ語を話す。セミナーが終わって19時前。下北沢の土間土間で、ドイツ人らと半分打ち上げ。ビールが進むに連れて、彼らの話すスピードがあがってくるので、むむむという感じではあったが、拙いドイツ語でも聞いてくれて会話してくれるので嬉しい。Bierangstとかいって笑いあった。EUの話とか、移民の話とか、日本のレイシズムの話とか。そういえばこの日は豪雨だった。ドイツ人は、基本的にどんなに雨が降ろうとも傘をささないのだが、さすがにこの土砂降りは耐えづらかっただろう。
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セミナー最終日。昼過ぎから参加して、講演を聴く。s君がコメンタールを務めている。なかなかクリティカルなコメントでふむふむと考えさせられる。同時通訳を入れて、いっぱい公開された講演会だったのだけれど、さほど人は入っておらず。結果的に内輪のものになってしまった。のあとキャンパス内のカフェで懇親会。はっきり言ってクソみたいな料理(お茶を濁したようなピザとスパゲティとサラダとポテトフライのビュッフェ)と酒で、3000円とかいい商売してまんなという苛立たしい気分だったけれど、iさんとk先生と話し込んでまま楽しめた。ドイツ人らと4月の再開を誓って別れる。渋谷で某君と合流してタイ料理屋。疲れているのか機嫌が悪かったが、まあそういうときもあるわな。夜風は、まだ、春ではない。
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朝起きたら、しかしとつぜん春の陽気。突発的に思い立って、富士五湖までドライブへ。世田谷の西端から車で1時間半くらい。久しぶりに運転したけれど、事故無くてよかった。中央道から富士山の全貌が現れた時の感動たるや、なかなかのものだった。しっかり雪が積もった富士山を真近で見るのははじめてだった。富士山を眺めながら河口湖畔を歩く。空気が住んでいるけれど、風が強くて寒すぎたので、それほど長くはいなかった。湖畔のカフェ。アルパカという名前の雑貨屋兼カフェみたいなところで、アルパカのぬいぐるみとか手芸品なんかが売られていたが、なぜかメニューはハワイ風で、音楽もそう。色んな所でいろんな人たちが色んな風に暮らしているものだ。ドライブ中には、エルトン・ジョン、フランスの最近の音楽、ダフト・パンク井上陽水、矢野美雨のラジオ、などを聞いた。帰ってきて8時。駅前の牛角で、全然美味しくない焼き肉を食べる。夜は是枝裕和監督『歩いても、歩いても』を見る。なかなかにリアルな家族の風景を描いていて、よろしい。あ、そうだ、焼き肉を食べながら、幸せについて語りもしたけれど、家族のことについては語りはしなかった。見終わった映画について語り合うのは良い。
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安息日。のはずが、論文の校正が気になって、一気にやり終えてしまう。末日に提出なので直前まで寝かせて、最後もう一回見直し。文章を書き直すこと、書きなおして書きなおしまくること、これが創作の秘訣だと大江健三郎が言っていて、僕はそれを割りと信用している。そういえば、大江さんの近作『晩年様式集』も買っていたのだった。読みたい。