保守主義の古典として語り継がれているこの書物であるが、日本の「
保守主義者」に薦められれば読む気など失せるという人も、これがそもそも
保守主義と言われていたのか、何たる違い、何たるチア、サンタ・ルチア、などと感慨をもらさずにはいないだろう。基本的にはバークの考えは個人的にはあまり好きではないが、絶妙なレトリック感覚と
フランス革命への舌鋒鋭い批判によって、ぐいぐいと読ませる「古典」である(「古典」と呼ばれているもの
はえてしてそういうものでないことが多い)。カントとの関係で気になっているのは(1793年に独訳がでている)、政治家論、革命論。特に革命を「時効」の点で論じている部分は非常に興味深い。