新しい朝に

朝目覚めるとインターネットのニュースサイトに彼の名前があった。何でも、電車の中で高校生に痴漢をしたのだという。彼のパソコンからは何千もの幼児性愛の動画や画像が発見されて、彼が痴漢した相手は苦しみに悶えて自殺をはかりそうになったのだという。そのニュースに僕の人生は何の染みも与え無い。僕が彼を信じているだとかそのような下衆なことは言うまい。僕だって自分のことを信じられるのかは分からないのだ。ただ彼が、幼児性愛によって警察の厄介になったということ、世間的に抹消されたということ、それがニュースになっただけだ。僕は、おおきなあくびをして、ビールを一息で飲み干して、彼方にある惑星を見た。それは、まるでユニコーンの角先のように、光っていた。その程度の糞が、僕のケツから出ただけの話なのだ。