ドイツ語のあれこれ

4月からドイツに滞在していましたが、9月に帰国することになりました。残すところあと一ヶ月というわけです。去年も4月から10月まで滞在していたので、合わせるとだいたい一年強ドイツにいたことになります。連続してではないけれど(ドイツの冬が嫌すぎたというのもあります)、一年ドイツにいると、どれくらいドイツ語が「できる」ようになっているのかというのが当然問題になってくるわけですが、「できる」にも色んな種類の「できる」があります。
学部の一回生のころからちゃんとドイツ語を勉強しておけばよかったとつねに後悔しているほど、僕のドイツ語能力は低いのですが、ともあれドイツに来る前から文法事項はある程度理解していて、ドイツ語の本も読めました。これはドイツに滞在しているかどうかはあまり関係がない「できる」です。
問題は話す・聞く・書くということなのですが、こちらは正直、一年いてもまだまだという感じです。普通、ドイツの大学に海外から入学する場合、TestDaFという語学試験に合格しなければならなかったり、あるいは大学院生がドイツで研究する際の奨学金プログラムとしてDAADというのがあるのですが、そちらも語学の試験の合格が必須になります。ところが僕の場合、日本の僕の大学とドイツの大学の提携プログラムで留学していたので、そういう試験がなく、切迫して語学を勉強しなければという動機付けに欠けたことは否めません。一年いたのに、それなりにしかドイツ語が聞けたり話したりできないということ、これは完全に僕の怠慢です。とまれ反面、それなりには会話もできるので――社会的なことや学問的なことよりもむしろ他愛もない日常会話が一番難しかったりしますが――まま成功といえば成功のような気もしないでもありません。
ドイツでは大学が提供する大学院生向けの語学プログラムにかよっていました。ヨーロッパ共通の語学のレベル規準(GER)は、A1, A2, B1, B2, C1, C2と初級から上級まで段階づけされているのですが、去年の半年はB1-B2のクラスに、今年はB2-C1のクラスにいました。最初は様子見でB1-B2にも顔を出したのですが、レベルが低く感じてしまい、B2-C1のクラスに結局参加しました。このクラスの参加者はかなりみんなしゃべれるので、僕にはかなり難しいことも多かったのですが。なのでまあテストは受けていないけれど、B2-C1くらいのレベルにいるのでしょう。一年いてまだ中級かよという感じもしますが、気にしないぞ。さらに、今年はドイツ語の家庭教師(Nachchilfe)もお願いしていて、一時間10ユーロという安さで週二回二時間くらい教えてもらっています。新聞記事を選んでもらって、事前に読んできて、当日それについて会話するというもので、なかなか楽しいのです。

大学院に入ってからようやくまともにドイツ語を勉強し直したんですが――なにしろ修士一年の終わりまではカントをやるなんて思ってもいなかったのですが――、以下の教材を使いました。

新・よくわかるドイツ文法―新正書法対応

新・よくわかるドイツ文法―新正書法対応

文法書が一冊あれば便利なのですが、これは各章ごとに練習問題もいくつかついていて、これを二周したんじゃないかな。結構文法事項も詳しく、のちのちまで役に立っております。そのあと簡単な練習問題を大量にこなそうと思って
ドイツ語練習問題3000題

ドイツ語練習問題3000題

それからちょっと難しい目の文章を読もうと思って次の二冊。
独文解釈の秘訣―大学入試問題の徹底的研究 (1)

独文解釈の秘訣―大学入試問題の徹底的研究 (1)

独文解釈の秘訣―大学入試問題の徹底的研究 (2)

独文解釈の秘訣―大学入試問題の徹底的研究 (2)

定番のものですが、英文標準問題精講のドイツ語版みたいなかんじで、短めのパラグラフに事細かな解説がついています。これを一日3題くらい和訳→暗唱したんじゃないだろうかと思います。
英文標準問題精講

英文標準問題精講

さらに独作文として清野智昭先生――NHKドイツ語講座も担当されていた方で解説がわかりやすいことで定評があります――のこの本を使ったりしました。
しくみが身につく中級ドイツ語作文

しくみが身につく中級ドイツ語作文

修論審査兼博士課程の入学面接みたいなところで、某先生にカントのドイツ語原文を持ちだされて、その場で和訳してみろと言われてしどろもどろになったトラウマも思い出しますが…(全然駄目ですね)。博士課程に入ったときに、今回利用しているプログラムに誘われて、夏にはドイツで研究発表という成り行きになったので、とにかくドイツ語を話す訓練をしなければと思って、三ヶ月ほどゲーテ・インスティトゥートに通いました。その段階ではA2くらいだったのかな。
ドイツに来てからは、この問題集のシリーズを使っていました。これも大量の文法問題が載っていて、とにかく量をこなそうと思ってやっていました。文法の解説なども全部ドイツ語なので良いですね。
Uebungsgrammatik fuer die Grundstufe: Arbeitsheft. Regeln,  Listen, Uebungen. Niveau A2 - B2. Deutsch als Fremdsprache

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  • 作者: Friedrich Clamer,Erhard G. Heilmann
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Uebungsgrammatik fuer die Mittelstufe. Arbeitsheft.: Regeln - Listen - Uebungen. Deutsch als Fremdsprache

Uebungsgrammatik fuer die Mittelstufe. Arbeitsheft.: Regeln - Listen - Uebungen. Deutsch als Fremdsprache

Uebungen zum Wortschatz der deutschen Schriftsprache.: Niveau A2 - C1

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リスニングのために便利なのは、ドイチェ・ヴェレというサイトでレベルに合わせてスクリプト付きの音声がいろいろ載っています。しかも頻繁に更新されています。書くことについては、誰かに添削してもらったりしたほうがいいんですが、それはなんといってもLang-8というサイトです。説明するのめんどくさいんで、サイトに飛んで見てみてください。