2011-01-01から1年間の記事一覧

'11読書日記70冊目 『カントの啓蒙精神』宇都宮芳明

カントの啓蒙精神―人類の啓蒙と永遠平和にむけて作者: 宇都宮芳明出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2006/10/25メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (6件) を見る273p 総計21375p カントの「啓蒙」概念を中心に、カントの思想を再編成した良…

'11読書日記69冊目 『イマヌエル・カント』フリードリヒ・カウルバッハ

『イマヌエル・カント』 フリードリヒ・カウルバッハ 訳:井上昌計 理想者 アマゾンで書誌情報が表示されないので(ということは絶版なのだが)。 369p 総計21102p入門書の一冊としては大部なのだが、前批判期に多くが割かれていて、批判哲学が熟成される過…

Ongaku

何を言っても虚しいときに 僕は音楽を聞く ピアノと歌声だけのあなたの音楽 喉の奥に胃酸がこみ上げてきて 嘔吐くことを予感する その時に鳴っているのもあなたの音楽 いつでも寄り添ってくれた人を どこかにうしなくしてしまって 沈んだ夜の慰めの 音が鳴り…

10-12

6 フィジカルにもメンタルにも不調。寒い。一日布団の中でじーっとしてたい。が、そういうわけにもいかずバイト。 7 大切な友人に半年前から読んでおいてと言っていたはずのブログの記事を読んでもらえてなくて、苛立つ。自分が精魂込めて(誇張)書いたもの…

'11読書日記68冊目 『新ジュスティーヌ』サド

新ジュスティーヌ (河出文庫)作者: マルキ・ドサド,渋澤龍彦出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 1987/07/01メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る261p 総計20733p

10-5

1 "OccupyWallStreet"というデモがNYで行われているということをサスキア・サッセンのtweetより知る。コーネル・ウエストはこのOWSをアラブの春がアメリカに伝播したものだと解釈している様子。facebookやtwitterなんかでデモへの参加を呼びかけているらしい…

'11読書日記67冊目 『ルソーの啓蒙哲学 自然・社会・神』川合清隆

ルソーの啓蒙哲学―自然・社会・神作者: 川合清隆出版社/メーカー: 名古屋大学出版会発売日: 2002/11メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (11件) を見る326p 総計20472p

9-30

26 『ウォッチメン』を見てしまい図書館に行くのが遅れる。書庫でばったりy先生に会い修論の進捗状況を聞かれる。心が痛むね。 27 六本木ヒルズに『監督失格』を見に行く。怒涛のような映画であった。矢野顕子のエンディング曲で感極まる。が、一緒に行って…

'11読書日記66冊目 『いま生きているという冒険』石川直樹

いま生きているという冒険 (よりみちパン!セ)作者: 石川直樹出版社/メーカー: 理論社発売日: 2006/04メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 68回この商品を含むブログ (37件) を見る279p 総計20146p この石川直樹という若い冒険家(77年生まれ)のことを知った…

'11読書日記65冊目 『ポトスライムの舟』津村記久子

ポトスライムの舟 (講談社文庫)作者: 津村記久子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/04/15メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 19回この商品を含むブログ (42件) を見る198p 総計19867p 表題作よりも収録されている「12月の窓辺」の方が好み。女性作家=感…

最近見た映画、そして関西クィア映画祭

16日 吉祥寺バウスシアターで、ヴィム・ヴェンダース『パレルモ・シューティング』。ヴェンダースはもう駄目なのかもしれないとつぶやきたくなるくらいひどい。一番最後、死についての幼稚な対話などは見ていて吐き気がする。映像は確かに美しいし、パレルモ…

'11読書日記64冊目 『海の向こうで戦争が始まる』村上龍

海の向こうで戦争が始まる作者: 村上龍出版社/メーカー: 講談社発売日: 1980/11/12メディア: 文庫 クリック: 11回この商品を含むブログ (39件) を見る186p 19669p 実験的な小説の描き方、というのは認めるが、暴力描写などはちっとも暴力的ではなく、若書き…

デモの構成的権力

吐き気をもよおすほどの悪意の噴出を目の当たりにした。下の動画は、現代の日本社会に、おぞましく身震いさせるような純粋な剥き出しの憎悪がありえることを、生々しく伝える。 ハンディカムが揺れ、拡声器でつんざくような悪辣な声が響き、暴力のぶつかり合…

9-12

5 夕方、渋谷で久々に院生で飲み会。某A君の就職が決まったとのことで、お祝いをする。101で飲んだのだけれど、ほんとうに魚が旨くて感心した。小雨交じり。 6 たぶん勉強してた、たぶんね。 7 バイト(ふりかえ)。古文教えてて、ぐっときた和歌。 命やは何…

'11読書日記63冊目 『ミシェル・フーコー 近代を裏から読む』重田園江

ミシェル・フーコー: 近代を裏から読む (ちくま新書)作者: 重田園江出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2011/09/05メディア: 新書購入: 3人 クリック: 62回この商品を含むブログ (47件) を見る269p 総計19483p これまで僕が読んできたフーコー本の中でも、特…

'11読書日記62冊目 『カント全集15 人間学』

カント全集〈15〉人間学作者: イマヌエル・カント出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/11/27メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (4件) を見る566p 総計19214p 人間学の位置付けは、カント自身の中でも批判期とそれ以後において異なる部…

'11読書日記61冊目 『カント政治哲学講義』アーレント

完訳 カント政治哲学講義録作者: ハンナアーレント,ロナルドベイナー,Hannah Arendt,Ronald Beiner,仲正昌樹出版社/メーカー: 明月堂書店発売日: 2009/03メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (12件) を見る318p 総計18648p そんな…

9-4

30 朝方、車で山梨へ向けて出発。久しぶりの家族旅行である。父と交代して運転しながら6時間ほどかけて、山梨へ辿りつく。甲府に着いて腹ごしらえ、と思いきや誰もほうとうを食べたいとは思わず駅前の百貨店(と銘打っているがそこらへんのイオンよりもしょ…

'11読書日記60冊目 『それから』夏目漱石

それから (新潮文庫)作者: 夏目漱石出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1985/09/15メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 280回この商品を含むブログ (156件) を見る302p 総計18330p 『こころ』と同じくらいかそれ以上に好きかもしれない。主人公・代助の中には二…

8-29

25 夏期講習ラスト。95年のセンター国語・評論を高1の女子とやってみたら、問題文が文学的で難しかった。今の評論は分かり安すぎて面白くない、というときがある。饗庭孝男という文芸評論家の、異なる言語圏で生活することに関する文章。なかなか悪くない。…

8-23

20 昨日までの合宿の疲れで三度寝くらいして昼過ぎに起きる。夕方から初BLUE NOTE東京で矢野顕子トリオ! 表参道の辺りがオシャレすぎてびっくりする。全体がウイスキーの瓶みたいなプラダの店があったり。いい雰囲気なので昼に訪れてルサンチマンに溺れたい…

'11読書日記59冊目 『現代カント研究6 自由と行為』

自由と行為 (現代カント研究)作者: カント研究会出版社/メーカー: 晃洋書房発売日: 1997/07メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る203p 総計18028p 晃洋書房から出版されている「カント研究会」による論文集。本著はカントにおけ…

'11読書日記58冊目 『ツナミの小形而上学』ジャン=ピエール・デュピュイ

ツナミの小形而上学作者: ジャン‐ピエール・デュピュイ,嶋崎正樹出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/07/29メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 14回この商品を含むブログ (14件) を見る150p 総計17825p 自然災害や環境危機、原発危機、これらの…

'11読書日記57冊目 『未完の菜園』ツヴェタン・トドロフ

未完の菜園―フランスにおける人間主義の思想 (叢書・ウニベルシタス)作者: ツヴェタントドロフ,Tzvetan Todorov,内藤雅文出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 2002/12メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る397p 総計17675p …

'11読書日記56冊目 『鍵』谷崎潤一郎

鍵 (中公文庫 (た30-6))作者: 谷崎潤一郎出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1973/12/10メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (13件) を見る240p 総計17278p 本書は、極めて特異な日記文学である。日本の伝統的な私小説は、ある種の日記に他…

'11読書日記55冊目 『蛇を踏む』川上弘美

蛇を踏む (文春文庫)作者: 川上弘美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1999/08/10メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 17回この商品を含むブログ (136件) を見る183p 総計17038p 川上弘美の初期短編集。黄昏、あるいは宵闇、のような小説。昼と夜の、夜と昼の…

8-19

16 朝板橋から長野県志賀高原へ。バイトしている塾の勉強合宿の付き添い。志賀高原へは4時間くらいで着く。お昼ごはんが豪華で満足。授業をする時間と、自習監督をする時間があり、最初は中2の国語の授業。夜も22時まで学習時間が設けられている。夜のミー…

8-15

12 昨日まで夏期講習。今日はゆっくりと休日。昼から駒場でM氏と東浩紀『存在論的、郵便的』検討会。フレッシュネスでお昼を食べて、コンビニでビールを買い、院生室へ。後輩のMくんも加わる。僕が作っていったレジュメに沿いながらいくつかのことを確認し合…

「暴動における共なるもの」ネグリによるアジテーション

この記事は「暴動における共なるもの」(“The Common in Revolt” by Judith Revel and Antonio Negri, August 13, 2011)の英訳からの重訳です。アントニオ・ネグリとその著作の仏訳者であるジュディス・ルヴェルによる北アフリカから北ヨーロッパにかけての…

'11読書日記54冊目 『緩やかさ』ミラン・クンデラ

緩やかさ作者: ミラン・クンデラ,西永良成出版社/メーカー: 集英社発売日: 1995/10/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (5件) を見る201p 総計16855p 久しぶりに読むクンデラ。クンデラの小説は、最初に抽象的な思弁が展開され…